PETELEA

 

ティルグムレシュから北に車を走らせるとレーゲンという昔ドイツ人が住んでいた街がある。

そのレーゲンの手前を右手に曲がるとPETEREAだ。この村にも昔はサースニーメットと呼ばれるドイツ人が住んでいたが、彼らがこの村を去った後ルーマニア人がそこに住み着いた。村のの入り口付近に住むジプシー達。彼らはルーマニア人から家々を安く買い取り、現在生活をしている。村の人口比はルーマニア人とジプシーが50:50。ジプシー達は主にルーマニア語で会話をしている。

舗装されていない道沿いにジプシー達の家々が並ぶ。家の前には赤茶色のレンガが大きく積まれているのをよく見かける。ここに住むジプシー達の仕事だそうだ。あとは出稼ぎをして暮らしを立てているそうだ。

レンガの山を通り過ぎながら道を散歩した。道行く人全員に挨拶をしながらどんどん進む。ひたすら“ブナズィーワ”“ブナズィーワ”。(ルーマニア語のこんにちは)  ふと後ろを振り返ると、ジプシー達の長蛇の列ができていた! “日本人達らしいぞ!なにか面白いことがあるのかな・・・?とりあえずついていってみよう!!”  さしあたりそんなところであろう。

広場に戻ってきた。目の前にはジプシーの群集。ROMAFESTの宣伝をするしかない!近所の家から電気を借りてジプシー音楽をかける。 あっという間にプチROMAFESTが始まった。  

炎天下もなんのその。あっという間にできた人だかり。みんな自分の踊る順番を待っている。

音を聞きつけて次から次へと人が集まってくる。

ペテレアの若きゴッドマザー、プロフェッサー・マリア25歳。学校でジプシー語を教えている。現在ではジプシー語を話せないジプシーが増えている。その大事な文化を守る彼女。村での人望も厚い。

彼女がマイクを持てばどんなにざわついた現場もぴたっと静まる。

ROMAFESTへの参加の説明をしている。 

実は新婚ほやほやの彼女。結婚式を挙げたいのだが、この村ではジプシー達は村の公民館を使用したことがない。ジプシー達も自治を行い村の施設を使えるようにまとまりを持たなければならない。 

 →後に行われた結婚式の模様(アップ予定)ROMAFEST出場をきっかけにみんながまとまった。

きれいな衣装をまとうラカトーシュ一家。明らかに他のジプシー達といでたちが違う。彼らはふだんからこの衣装で生活をする典型的な移動型ジプシー(カラポツィガニ)。話をしてみるとハンガリー語を話す。ティルグムレシュから移住してきたそうだ。 真っ赤なリボンを編みこみ、おさげを長くたらすのは未婚の乙女の象徴。

 

プチROMAFESTは大いに盛り上がり、マリアさん率いるペテレアチームがROMAFEST本選に出場を決定した。

みんなで何かひとつのことをするのがはじめてのペテレアのジプシー達。本選の結果は何とグループ部門3位入賞!!

マリアさんは喜びと感動で涙なみだの表彰式でした。

来年のROMAFESTはもっと練習して、もっと上位を狙ってやる!!と早速息巻くペテレアチームでした。