「ROMAFESTに恋して T」  徳元裕子
満を持してROMAFEST舞踊団が誕生したのは
2001年7月の第三回大会でした。
村ごとに組まれた参加チームの数も飛躍的に増え、
それぞれのチームが大応援団を引き連れてGernyeszegに乗り込んできます。
会場となる村の小学校一帯は次々に到着するジプシーたちで溢れ、
フェスティバルの開会を待たずにあちこちで即興演奏が始まり、人垣が踊ります。
一口にジプシーといっても、踊りや音楽、衣装には村ごとに特色があります。
それぞれのチームが演奏で、踊りで、色とりどりの衣装で、
お互いをアピールし合うのです。
そんな彼らの表情は、同胞と一堂に集う喜びや、
ジプシーとしての誇りにあふれ、実に晴れがましく、
その姿に触れる私達の胸までをも熱くします
予選当日はあいにくの雨模様。
校庭の仮設ステージは使えません。
会場は急遽公民館に移されましたが、中は小さなステージの上以外ジプシーですし詰めです。
予選が始まった途端、会場の興奮は一気に頂点に達します。
舞台に上る踊り手たちは最初から真剣そのもの。
彼らの渾身の踊りに、音楽も、観客の魂も即座に呼応し、
会場全体に大きな一体感が生まれるのです。
ジプシーたちは小さな子供でさえ誰もが、
何百人もの観衆が見つめる舞台の上で臆することなく自分を表現します。
それはまさに、先祖代々音楽と踊りとともに生きてきた彼らの血の成せる業です。
そんな才能あふれるジプシーたちの中から
特に魅力的なパフォーマンスを見せた者が決勝に臨み、
そこで最大限を越えた力を発揮し、観客を魅了した者に
金、銀、ブロンズの各賞が授与されました。
その入賞者の中から、ジプシーの魅力を世界に発信するべく
若き音楽家と5人のダンサーたちが日本行きの栄冠を手にしたのです。
ここからROMAFEST舞踊団の快進撃が始まります。。
「ROMAFESTに恋して U」 
「ROMAFESTに恋して V」