Gernyeszegの小さな公民館は人々でごった返していた。
集まったのはトランシルバニアのあちこちに暮らすジプシーたち。
男も女も、老いも若きも、子供も赤ん坊も、みんなジプシー。
今日はジプシーたちの祭典だ。
村代表の腕自慢の音楽家たちの演奏にあわせて、
この日のために一張羅を着込んだ
踊り手たちが次々に舞台に上り、その技を繰り出す。
独特の哀愁を含んだ、それでいて気持ちを掻き立てるテンポの速いメロディーが、
幾通りも、そして何時間も演奏される中、男は複雑なステップを踏みながら、
力強くその手で体のあちこちをリズミカルに叩く。
女は細かくステップを刻み、全身にその振動を湛えながら、
色あざやかなスカートを妖艶にひるがえす。
音楽にあわせて刻まれる正確なリズムとスピードはまさに神技だ。
この熱演に沸き立ち大声援を送る観客、彼らもジプシー。
音楽があれば自然に体が動き出す。
会場全体が一気に高揚する。
1999年11月に始まったROMAFEST。
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